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雷雨

土手を自転車で走り抜けた
右も左も前も後ろも
何もない空間がいっぱいあった

地面からまっすぐ天上へ向かう草も
ひたすらに目の前の空間に足を進める犬も
濁りながら懸命に海に向かう水も
無心に、ただ前向きに
次の瞬間へと進んでいくのに
草よりも犬よりも水よりも速く進む私は
何も、何にも見ていない
形と色を認識してても
何の感銘も感情も湧いて来ない
それは
ここにないものに囚われているから

何も感じない身体に脅威を覚えて
右手後ろから少しずつ寄ってくる雷鳴に
大きな期待を寄せて、ゆっくり走った
ここに落ちてきてくれなんて贅沢なこと言わないから
せめて水滴だけは打ち下ろして
ちゃんとイマを感じられることを
私に確認させて、って。

ゆっくりゆっくり走って
何人にも追い越されてたのに
黒雲は追いついてくれなかった
家に辿り着いてしまったから仕方なく
水道水を浴びせていたのに
その3分後に家の外でも同じ音が広がった

不運の夕立

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